丁寧なフレンチの技とアジアンテイストの融合がお見事!新しく1つ星を獲得した日本人シェフのお店「ペルティナンス」
今更ながら2018年度版ミシュランガイドの話...。
ついこの間お正月が来たと思ったのに気がついたらもう4月も終わり。パリでは皆カフェのテラスで春の日差しを楽しんでいます。そんな季節に、超今更な話題なのですが、今年も1月に2018年度版ミシュランガイドが発行されましたね!(遅い!)
今年は日本人シェフのレストラン5軒が新たに1つ星を獲得、2軒が2つ星に昇格し話題を呼んだのですが、先日、その1つ星獲得の5軒のうちの1軒「ペルティナンス(Pertinence)」へ行ってきました。
突出しに続くコース2皿目。ウチワ海老大好きなのですが、フランスでは初めて頂きました。
パリ7区、高級住宅街にある小さなレストラン「ペルティナンス」
ペルティナンスは日本人シェフとマレーシア人シェフのダブルシェフという珍しい体制を取る小さなレストランです。とてもパリ7区らしい、シックな高級住宅街にあります。
店内は白と木目を基調にしておりシンプルなアートギャラリーのよう。とてもお洒落な空間なのですが、半分オープンになったキッチンから挨拶をしてくださる二人のシェフ(お二人とも若い!)の笑顔のおかげか、どこか温かい印象を受けます。
お店に入ってまず驚くのが、地下のワイン貯蔵庫!地階への扉がガラスになっており、お店からグラスボートで海中をのぞくように見下ろせるんです。
2人のシェフのセンスが存分に味わえるランチコース
さて、今回は6皿のおまかせコースを注文。ワインのペアリングも楽しみたかったのですが同行者が運転しなければいけなかったのでグラスで2杯だけ頂きました。
コースは突出し、前菜2皿、メイン2皿、デザートの構成。こちらの日本人シェフは著名なフランス人シェフの元でフレンチの基本をみっちり学ばれて来たたそうで、オーセンティックな技に定評があるのだとか。素人の私に詳しい事は解らないのですが、確かに火加減など調理全体がとても丁寧でハイレベルな印象を受けました。
コース3皿目。完璧な火加減のフォアグラ。ドラゴンフルーツとの組み合わせがおもしろい!
4皿目はお魚。皮をカリカリにするテクニックはル・サンクと同じですね。美味しい〜!
コース5皿目のお肉は熟成肉かと思いきやイベリコ豚。香り高い脂身が天国の味!
工夫に満ちたお料理とおもてなしがうれしい素敵なレストラン
どの皿も工夫に満ち、丁寧に調理されておりとても美味しかったです。量も「お昼には少し多いかも、贅沢しちゃったな。」と思わせてくれるくらいのちょうど良さ!何よりもうれしいのは、やはりアジア人シェフならではの旨味と素材そのものの味を活かしたスタイルですね。南アジアを感じさせるドラゴンフルーツやハーブがさりげなく、絶妙なバランスで使われているのも面白かったです。
あえて気になる点をあげるとすればデザートがインパクトに欠けましたが、私は甘党ではないので特にマイナスではありませんでした。むしろ甘党ではないから印象に残っていないだけかもしれません。(笑)
それよりも何よりも、素晴らしいのは2人のシェフが自ら皿を運びお料理の説明をしてくれる距離の近いおもてなしです。
レストランは規模が大きくなればなるほどレシピは体系化され、作業はマニュアル化されていきます。それはそれで良い面もあるのですが、こうしてお料理を作ったシェフから直接お話を聞きながら食事できるのは別の意味でとても贅沢な事だと思うのです。
ペルティナンスは愛のあるお料理を洗練されたインテリアの中で程よくくつろいだ気分で楽しめるとても素敵なレストランでした。
ペルティナンス
Pertinence
29 Rue de l'Exposition, 75007 Paris
フランスの音楽をちらりご紹介♪ ♪ ♪
こちらのレストランのシックかつ温かい雰囲気にぴったりなのはこの曲。ミシェル・ペトルチアーニとステファン・グラッペリ、フランスを代表する2人のミュージシャンのコラボアルバムからの一曲です。グラッペリのヴァイオリン大好き♡