Night life in Paris

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2つ星シェフの味がお手軽価格で味わえるサンジェルマン・デプレの小さなレストラン「クローバー」

ジャン・フランソワ・ピエージュ氏のお店「クローバー」へ

先日、サンジェルマン・デプレにあるジャン・フランソワ・ピエージュのお店「クローバー(Clover)」に行ってきました。ピエージュ氏はミシュラン二つ星を獲得した「ル・グラン・レストラン/ジャン・フランソワ・ピエージュ(Le Grand Restaurant / Jean-François Piège)」をはじめ、多くの事業を展開しているとてもクリエイティヴでエネルギッシュなシェフです。

f:id:N_L_Paris:20180527185045j:plain前菜2品目、アスパラとクレソン、セベンヌの玉葱の一皿。

サンジェルマンデプレの古い路地にある小さなレストラン

クローバーはそんなピエージュ氏が監修するレストランの一つ。セカンド店といいますか、お手頃価格でピエージュ氏のクリエイションが楽しめる小さくてアットホームなレストランです。アドレスはサンジェルマン・デプレの中心。細く曲がりくねった古い道の続く風情いっぱいのエリアにあります。

f:id:N_L_Paris:20180527185504j:plainクローバーのあるとても静かなペロネ通り。クローバーは写真左手です。

予約はオープン直後の19時だったのですが私達が到着した時には既にほぼ満席。若いハンサムなサービス係が通りに面した窓際の良い席に案内してくれました。サービス係は彼一人だったのですが、終始笑顔でテキパキ働いていておかげでとても気持ちの良い時間を過ごせました。満点のサービスです。(決して、彼が若くてハンサムだったからではありません。(笑))

f:id:N_L_Paris:20180527185435j:plainホールは一人で切り盛り。終始笑顔の素晴らしいサービスです。

オープンキッチンならぬワンルームキッチン!?驚きの丸見えキッチン!

入店して驚いたのは客席とキッチンが一体化したインテリア。お店は間口が狭く奥へ深い形をしていて、まず10席程度の客席、続いて何の仕切りもなく同じ部屋に5〜6人のコックが働くメインキッチンがあるのです。さらに奥に洗い場とお手洗い。つまりお手洗いに行くには思いっきりキッチンのど真ん中を横切る事に...。

お友達のお家にお邪魔したようなアットホームな感覚でおもしろいといえばおもしろいのですが、プライベートに踏み込んでいるような感じもして小心者の私は何だか悪いような気がしました…。

f:id:N_L_Paris:20180527185350j:plainキッチンを思い切り横切ってお手洗いへ。一番奥からお店をパチリ。 

さて、夜のメニューは60ユーロと73ユーロのコースのみ。今回は60ユーロのコースを注文しました。突出し、前菜2品、肉と魚を選べるメイン、デザートの王道コースです。ワインは料理にあわせてグラスで持って来てもらうようサービス係にお願いしました。

まずは辛口シャンパーニュで乾杯。突出しは焼きたてのヒヨコ豆のパニス(イタリアの塩味パンケーキ)。こちらが...いきなりすーっごく美味しかったのです!小麦粉ではなくヒヨコ豆の粉で作られる焼き上がったばかりのパニスはふんわり素朴なお味。エシャロットとコリアンダーのアクセントも絶妙!指でつまんで食べられる気軽なスタイルも面白いです。

f:id:N_L_Paris:20180527184900j:plain突出しですでに感動してしまいました。(笑)クローバー型の飾りもかわいい!

次に出て来たのはなんと「お皿にのった石」です。隣の席のオジサマが「わあ〜!!石は僕の大好物なんだよね!!」というベタなオヤジギャグを言いたくなる気持ちもわかります。なんでしょうこれは!?!?

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実はこれ、かつてこの通りに敷かれていた石畳の石なのだとか。かつてパリの道の多くは石畳だったのですが近代化にともない今では多くの道がアスファルト舗装されています。そんなかつてのパリのノスタルジーへオマージュを捧げた一皿だそうです。

とはいってももちろんこの石を食べる訳ではなくて、アツアツに焼かれたこの石にサーモンをのっけて炙って食べます石焼炙りサーモンという訳ですね!

f:id:N_L_Paris:20180527184959j:plainアイデアは面白いのですが、正直くっついて食べにくかったです(笑)

サーモンの次は前菜二皿目のアスパラとクレソン、セベンヌの甘玉葱のグリル。(写真は記事上部)私が選択した魚のメインはホタテの貝柱、キュウリと林檎の付け合わせ

貝柱は芯が半生の火加減が良い感じでした。この付け合わせの組み合わせはフランスでは給食でもでるくらいクラシックでフランス人にとっては若干つまらなく思えるらしいのですが、私にとっては新鮮でした。りんごの爽やかな酸味と歯ごたえが素敵です。

f:id:N_L_Paris:20180527185140j:plainソース控えめの重すぎないスタイルは日本人の口にもよくあうと思います。

続いてデザートはマロンクリームのミルフィーユとコルシカ島のオレンジのシャーベット!ミルフィーユもマロンクリームも大好きなのでこれはうれしかったです。全体的にあまり重くないスタイルなのでデザートまでペロリと行けました。最後にエスプレッソを飲んで〆。エスプレッソにはチョコチップクッキーが添えられていました。

f:id:N_L_Paris:20180527185237j:plainマロンクリームXミルフィーユXオレンジシャーベット♡かなり好みの組み合わせでした♡

重過ぎないボリュームがうれしい野菜も魚もちゃんと摂れるコース

量はしっかりあるのに重すぎず、本当にちょうどいいコースでした。野菜の使い方が上手だからかもしれません。素材を活かしたスタイルなので日本人の口にもよく合います。それから前菜の石焼炙りサーモンのようなちょっとしたスペクタクルがあるのも、場の雰囲気が盛り上がって楽しいと思いました。

ちなみにこちらのレストランのコンセプトはピエージュ氏が奥様と一緒に考えたそうで「アットホーム」とか、小さなレストランならではの「距離の近いおもてなし」が大事にされている感じがします。しかし!ただ単なるアットホームではなく、デザインはパリの超有名デザインチームM&Mが手がけているのだそうです。洗練と暖かみが同居する空間づくりは計算されているのですね。納得!

 

クローバー
Clover
5 rue Perronet 75007 Paris

 

 

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